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就労移行支援がひどいと言われる理由とは?事業の実態や対処法も解説

就労移行支援事業所とは、障害者総合支援福祉法に基づいて提供される福祉サービスの1つです。一般企業への就職を目指す障害や難病を抱えている人が、就職活動などのサポートを受けることができます。

この記事では、就労移行支援事業の実態や就労移行支援事業所を選ぶポイントについて紹介します。また、就労移行支援が「ひどい」と感じたときの対処法も取り上げています。ぜひ事業所選びの参考にしてください。

このコラムを読んでもらいたい方

  • 就労移行支援事業の利用を検討している方やそのご家族
  • どの就労移行支援事業所を選べばよいかわからない方
  • 自分に合った就労移行支援事業所に通いたい方

このコラムを読んで得られる情報

  • 就労移行支援事業の実態
  • 事業所が「ひどい」と感じたときの対処法
  • 就労移行支援事業所を選ぶ際のポイント

就労移行支援がひどいと言われる理由

就労移行支援事業とは、障害のある人の社会参加を支援する福祉サービスの1つです。一般企業への就職を目指す方のために、就労に向けたトレーニングや就職活動などのサポートを行っています。

しかし、一部では「就労移行支援はひどい」「就労移行支援を利用しても意味がない」という声もあります。例えば、次のようなものです。

  • 障害者を金儲けに利用している
  • 職員の対応が悪い
  • 賃金や工賃がもらえない
  • 通っても就職できない

このように「スタッフの対応」や「訓練内容」などに対して不満を抱えている方が一定数いるようです。ただ、これらの意見がすべての就労移行支援事業所に当てはまるわけではなく、事業所のスタッフや運営企業の質によって評価は変わってくると言えるでしょう。

就労移行支援事業の実態

悪質な事業者を回避するためには、就労移行支援の仕組みや業界の事情を知っておくことが大切です。

  • 就労移行支援事業で収益が生まれる仕組み
  • 悪質な事業者と規制の強化

それぞれの内容について、詳しく説明していきます。

就労移行支援事業で収益が生まれる仕組み

就労移行支援事業所を運営している企業の多くは営利企業であるため、利益を出さなければ事業を継続していけません。

就労移行支援事業は、主に国保連(国民健康保険団体連合会)から給付される「報酬」で運営されています。この報酬は、契約している利用者の人数や利用日数、就職後の定着率や提供したサービス内容などによって決まっており、質の高いサービスを提供する事業所が多くの報酬を得られる仕組みになっています。

また、利用者の負担額は厚生労働省で決められており、収入に応じて上限があります。約9割の利用者が自己負担なく利用しています。

悪質な事業者と規制の強化

悪質な事業者と規制の強化

引用:厚生労働省 「就労移行支援に係る報酬・基準について≪論点等≫

就労移行支援事業は比較的新しい制度であり、施行開始当初は爆発的に事業所の数が増えたという経緯があります。ただ、事業所の増加に伴って、一部には「通所カウントを減らさないように無理やり通所率を上げる」「安定して通所できている人を施設側の都合に合わせて繋ぎとめる」といった、自社の利益を優先した運営を行う事業者も現れました。

これを踏まえて法改正が行われ、利用者が就職・定着できた事業所ほど報酬が高くなる仕組みに変わりました。全国的に見ると、利用者の数は年々増加していますが、事業所の数は2017年をピークに減少傾向にあります。

つまり、利用者のためにきちんとサービスを提供する事業者が生き残っていると言えるのです。

「ひどい」と言われる就労移行支援事業所の特徴

法改正がされたとはいえ、悪質な事業所がすべてなくなったわけではありません。ここでは「ひどい」と言われる就労移行支援事業所の特徴を見ていきましょう。

  • 無理に通わせようとする
  • 障害への理解がない
  • 訓練の質が悪い
  • 就職・定着の実績がない

それぞれの内容について、詳しく説明していきます。

無理に通わせようとする

利用者が多いほど報酬が増える仕組みのため、利益目的で利用者を就職させずに長く通わせたり、事業所を辞めたいと申し出た人を引き止めたりします。

ただ、就職するためにまだ訓練が必要な段階であるからこそ就職を引き止める場合や、通所が不安定であり、将来の安定就労のために休まないよう指導することもあるので、一概に「長く通わせる事業所=悪質業者」とは言えません。

障害への理解がない

「ひどい」と言われる事業所の理由として、障害に対してスタッフの知識や理解がなく支援が行われていることが挙げられます。例えば、以下のような状態です。

  • 体調不良を「甘え」と決めつける
  • 苦手なことを努力不足とみなす
  • 的外れなことで過剰に褒める
  • 障害の特性に合わない職場を勧めてくる

以上のように、障害を理解せずに「否定」ばかりされても、逆にすべてを「肯定」されても、適切な就労支援を行ってもらえないため利用者はいつになっても就職することができません。

訓練の質が悪い

就労移行支援事業所の訓練・学習は、基本的にPCやテキストを使用しての学習が大半を占めます。ただ、中にはテキストを渡され自習を促されるなど「放置されて指導をしてくれない」と感じられるケースがあります。

他にも、専門技術の習得を専門講師なしに一人で行わなければならないなど学習したい分野に対して詳しい支援員がおらず、支援員も教えることができないので学習面に関して放置されてしまうケースもあります。

  • 訓練中に放置される
  • 訓練のレベルが低過ぎる
  • 個々の特性に合わせず、悪い意味でマニュアル通りの訓練である
  • 就職にどう役立つのか分からない内容を実施している

就職・定着の実績がない

就職実績がない、もしくは就職実績が少ない就労移行支援事業所を選んでしまった場合、就職を目指すことは難しいでしょう。特に以下の特徴がある場合は、訓練の質や就活の支援方法に問題がある可能性があり、注意が必要です。

  • 直近で就職に成功した人がいない
  • 就職後に定着している人がいない
  • そもそも利用者が少ない、またはいない

ただし、開業して間もない新しい事業所の場合など、期間的な理由から実績がないというケースもあります。

就労移行支援が「ひどい」と感じたときの対処法

次に、すでに就労移行支援事業所を利用している人が通所先事業所について「ひどい」と感じた時の対処法を見ていきましょう。

  • 管理者や運営元に相談する
  • 他の就労移行支援事業所を探す
  • 自治体の障害福祉課に相談する

それぞれの内容について、詳しく説明していきます。

管理者や運営元に相談する

就労移行支援が「ひどい」と感じたときの対処法として、訓練内容や特定のスタッフの対応に問題がある場合、まずは管理者や運営元に相談してみることが挙げられます。

訓練内容の見直しや担当スタッフの変更などを行ってもらうことで、状況が改善できることもあります。特に、自分が不満を持っていることを伝えることが重要なポイントです。

他の就労移行支援事業所を探す

管理者や運営元に相談しても状況が改善できない場合は、現在の通所先を退所し、他の就労移行支援事業所を探すという手段もあります。

事業所によってスタッフはもちろん、訓練内容や事業所の雰囲気も異なるため、ホームページやパンフレットの情報だけでなく見学や体験を行い自分の目で確かめることが重要です。

自治体の障害福祉課に相談する

事業所に改善を申し出ても誠意ある対応をしてもらえず、改善が見込めない場合などは、通所先を変更する以外にも市役所や区役所の窓口に相談するという方法があります。

また、全国には第三者機関である「運営適正化委員会」という組織があります。就労移行支援事業所を利用する上で発生したトラブルに関して、弁護士や医師などの専門家が対応してくれます。

就労移行支援事業所を選ぶ際の4つのポイント

最後に、就労移行支援事業所を選ぶ上での4つのポイントを説明します。以下を参考に、自分に合った就労移行支援事業所を選びましょう。

  • 通いやすい場所か
  • 訓練内容が自分に合っているか
  • スタッフや事業所の雰囲気が良いか
  • 就職・定着の実績があるか

それぞれの内容について、詳しく説明していきます。

通いやすい場所か

通所先の事業所の場所が自宅や最寄り駅から遠すぎたり、通勤ラッシュがひどいルートであったり、複数の交通機関を乗り換えないとたどり着けない場所であったりすると、通うこと自体がストレスになってしまいます。

結果として訓練に集中できず、休みがちになり退所につながる原因にもなるので、自分が無理なく通える場所を選ぶことは大切です。

訓練内容が自分に合っているか

就労移行支援事業所によっては、対応している障害や得意な分野が違う場合が多々あります。例えば「発達障害が専門の事業所」や「IT就職に強い事業所」「事務職への就職実績が多数ある事業所」など、その特徴はさまざまです。

また、訓練の内容が自分に合っているかもよく確かめる必要があるため、通所先を決める上では実際に見学し、訓練を体験させてもらうとよいでしょう。

スタッフや事業所の雰囲気が良いか

事業所のスタッフや雰囲気が自分に合っているかを確かめるのも大切です。見学や体験利用を行い、自分の目で確かめてみましょう。

ポイントとして「スタッフの対応は良いか」「専門知識を持っているか」「他の利用者の雰囲気や年齢層は自分に合っているか」「就職に向けて真剣に取り組んでいるか」などがあります。

就職・定着の実績があるか

通所を検討している事業所がある場合、就職や定着の実績を見ることも併せて行うとよいでしょう。直近で就職した人の数、就職後に6カ月以上定着している人の割合など、データを把握しておきましょう。

就職者数や定着率に関しては、事業所のホームページで公開している場合や、見学時にスタッフに聞くことで教えてもらえることが多くなっています。

就労移行支援に関するご相談はノードワークスへ

今回は、就労移行支援事業の実態や就労移行支援事業所を選ぶポイントについて、また就労移行支援が「ひどい」と感じたときの対処法を紹介しました。

ノードワークスでは就労移行支援事業を行っています。「就職したいけれど、自分一人では不安」「就労移行支援事業を利用したいけれど、どこに行って何をすればいいのかわからない」といった悩みや疑問に丁寧に対応しております。もし気になった方は、ぜひ一度見学にお越しください。

また、無償での昼食提供や近隣にある生蘭学園との連携、卒業後の受け皿としてのグループホーム利用案内も行っています。就職することはもちろんのこと、就職後も仕事を継続できるように定期的なサポートも行っているため、安心してご利用ください。

生活や就職において困りごとがありましたら、ホームページの「お問い合わせ」もしくはお電話でご連絡ください。

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