COLUMN

コラム

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 就労移行支援
  4. 就労移行支援は統合失調症の人におすすめ~利用するメリットも紹介~

就労移行支援は統合失調症の人におすすめ~利用するメリットも紹介~

就労移行支援は統合失調症の人におすすめ~利用するメリットも紹介~

統合失調症は学校生活や人付き合いなどがうまくいかなくなる病気であり、100人に1人の割合で罹患するこころの病気です。誰しもがなり得る病とも言えるでしょう。

今回は統合失調症の人が就労移行支援に通所することで得られるメリットなどを紹介していきます。現在統合失調症を患っている人や、身近に統合失調症で悩んでいる人がいる方は、ぜひご覧ください。

【このコラムを読んでもらいたい方】

  • 統合失調症の方
  • 統合失調症で挫折や退職をした経験がある方
  • 社会復帰を目指している障害のある方
  • 就労移行支援の利用を検討している方

【このコラムを読んで得られる情報】

  • 統合失調症の症状・治療法
  • 統合失調症の仕事での困りごと・向いている仕事
  • 就労移行支援でできること・利用するメリット

統合失調症とは

統合失調症は、こころや考えなどがまとまりを欠いた状態になる精神疾患のひとつです。
100人に1人の割合で罹ると言われており、決して珍しい病気ではありません。ストレスが起因するとも言われており、誰もが罹患する可能性があります。

主な症状

統合失調症の症状には、大きく分けると「陽性症状」「陰性症状」の2つがあります。

「陽性症状」では、幻覚や幻聴、妄想などがあります。具体例として「本来あるはずもないものが見える」などの幻覚や「まわりに誰もいないのに悪口や非難する声が聞こえる」などの幻聴があります。

「陰性症状」は、喜怒哀楽などの感情の表出が乏しくなります。具体例としては、他者への感情に共感しにくい、やる気が起きない、物事を深く考えることができない、家に籠りがちになることが挙げられます。

そのほかにも、考えがまとまらないなど認知や行動に障害が出ることもあります。

主な治療法

統合失調症の治療には、薬物療法とリハビリが用いられます。

最近では向精神薬や睡眠薬、抗不安薬などでかなり症状をコントロールできるようになってきました。統合失調症で用いられる薬は人によってだるさを感じたりするため、自己判断で服薬をやめてしまうケースが見られます。

統合失調症は治療することで回復可能な病ですが、再発しやすい病でもあります。そのため自己判断で服薬を中止してしまうと高確率で再発するため、勝手に服薬をやめない事が大切です。また早期発見・早期治療も大事です。

統合失調症の人にある仕事での困りごと

ここからは、統合失調症の方に起こりやすい仕事上での困りごとについてご紹介します。

▶集中力の低下
思考障害という、物事をスムーズに考えることが困難になる症状からくるとさせています。また、幻覚や幻聴などにより集中を妨げられることも一因となっています。そのため情報量が多いと混乱してしまい、ミスが増えます。

▶意欲の低下
陰性症状の際によく見られる症状であり、喜怒哀楽などの感情の欠如が意欲の低下に直結します。そのため、まわりへの関心がなくなり仕事へのモチベーションも下がってしまいます。仕事の期限が守れないなど、業務に支障をきたします。

▶人間関係のトラブル
統合失調症など精神疾患を抱えている人は、病気であることが外見からわかりにくい特徴があります。そのため「仕事ができない人」などとレッテルを貼られてしまうことがあります。

誤解を受けながら働くことは、統合失調症の人にとっては非常にストレスです。「悪口を言われている」など、幻聴や被害妄想を抱きやすくなります。その結果、職場の人々に対する不安や恐怖からコミュニケーションを避けてしまい、人間関係をより困難にします。

統合失調症の人に向いている仕事

一人でコツコツと取り組める業務や、ノルマがそこまで厳しくない仕事が向いています。
具体的には、商品管理や軽作業、製造業、事務職など自分のペースで進めることができる業務です。これらの業務なら、混乱せずに落ち着いて作業を行うことができるでしょう。

また、簡単な作業から始められたり、単純なルーティーンワークからステップアップしていけるような仕事であると、精神的負荷が軽減されるため働きやすいでしょう。

逆に、マルチタスクを必要とする仕事や、相手のペースに合わせる接客業などは精神的疲労やストレスがかかりやすいため、統合失調症の人にはおすすめできません。

統合失調症の人の就職をサポートする就労移行支援とは

就労移行支援事業とは、「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービスです。

原則18歳~65歳の身体、知的、精神、発達障害や難病があり、一般企業への就職を希望する人が利用できる事業所です。そして、障害者手帳がなくても利用できる場合があります。

利用料金は前年度の世帯収入(本人+配偶者)によって決まりますが、ほとんどの人が無料で利用しています。

就労移行支援でできること

就労移行支援でできることには、主に下記のような項目があります。

・就労に向けたトレーニング
挨拶、返事、報連相の仕方やPCスキルといった仕事に必要な知識やスキルの習得を行います。

・職場見学や実習
事前に職場見学を行い、自身の適性や認識の相違が起こらないよう確認します。その後実習を通じて職場での適性や精神的負荷に耐えられるかをみていきます。

・就職活動/面接練習
企業分析を行い、実践面での面接練習を行います。配慮を受けて就職する場合には、配慮事項を記した専用の履歴書作成もサポートします。実習の振り返りや面接同行など、スタッフが手厚くフォローします。

・定着支援
就職後も定期的にスタッフがサポートします。定期的な面接や訪問を行い、就職後のお仕事が定着するよう応援します。

他にも統合失調症の症状に合わせて、体調管理や対人コミュニケーションのコツなど、仕事で実践できるテクニックもたくさん教えてもらえるため、職場や仕事の困りごとが減り、長く安定して働き続けることができるようになります。

利用の流れ

就労移行支援を利用する手続きはどのようなステップを踏めばよいのでしょうか。詳しく説明します。

1.就労移行支援事業所を探して問い合わせ
就労移行支援事業所は事業所ごとに特色があるため、自分に合ったプログラムや訓練内容を扱う事業所を探してみると良いでしょう。また、事業所によって受け入れている障害種別も異なるため、自分の障害に対応しているか、今後希望する職種に必要なスキルを身に付けることができるかといった視点でも確認してみましょう。

一部の事業所では送迎を行っている場合もあります。ご自身の通いやすい事業所を探してみましょう。

2.見学・体験
就労移行支援事業所での訓練から就職するまでには、平均で1年ほど通うことになるため、足を運び自分の目で確かめることが重要です。

その際は、事業所の雰囲気や利用者層、支援員の雰囲気も含めて自分に合う場所なのかを確認しましょう。また、通う距離や通勤ラッシュの混雑具合も合わせて見極める必要があります。できれば複数の事業所を見学し体験してみると、より自分に合う事業所が見つかりやすくなります。

見学や体験で得た情報を元に利用する事業所を一つに決めます。就労移行支援事業所に利用意思を申し出ると、その後の手続きについて流れを説明してくれたり、中にはサポートを行ってくれたりする事業所もあります。

3.受給者証の申請・発行
就労移行支援事業所に利用意思を申し出たら、お住まいの市区町村の障害福祉課に「障害者福祉サービス受給者証」(通称:受給者証)の申請をします。

4.利用契約
受給者証が発行されたら、就労移行支援事業所と利用に関する契約を結びます。

5.利用開始
利用契約が結ばれると、就労移行支援事業所はご本人の支援に関する指針となる「個別支援計画書」を作成します。ご本人から困りごとやなりたい姿を聞き取り、事業所がその内容に基づき具体的な支援内容を作成することで、本格的に利用開始となります。

就労移行支援を利用して統合失調症の方が就職した事例

実際に統合失調症の方が就労移行支援を利用して就職を実現された事例を2つご紹介します。

引きこもり生活から就職に成功したAさんの場合

男性・20代・精神障害(統合失調症)

学生時代から人見知りがあり、人間関係の構築に困難を感じ引きこもりがちになっていました。次第に一日中ただボーっとして過ごすことが多くなったため心療内科を受診。診断結果は「統合失調症」。ストレスを起因とした統合失調症でした。

当時は、学校での人間関係の難しさや学校に行けない情けなさなど多くの悩みを抱えていたそうです。その後、就労移行に通所し始めましたが、はじめは緊張からくる疲れがひどかったため、やめようと思ったこともありました。

ときに休んでしまうこともありましたが、段々と環境やスタッフ、他の利用者にも慣れ、通所ペースを増やしていけるようになりました。企業実習先でも評価していただけるまでになり就職することができました。

グループワークで自信がついたBさん

女性・30代・統合失調症

無気力状態が続いているのは、自分が怠けているせいだと自分を責めて落ち込んでいました。そんな日々が続いたため医療機関を受診したところ「統合失調症」との診断を受けました。

前職では単調な作業が多かったため、やりがいを感じられず短期間で退職していました。そのため、まずは就労移行支援へ通うことから始めました。就労移行支援で行っているグループワークでは、リーダーや進行役を努め、さまざまな経験をしたことで自信をつけることができました。

自分にあった仕事も見つかり、今ではキャリアアップを目指しながら日々頑張っています。

統合失調症の人が就労移行支援を利用するメリット

就労移行支援を利用することは、統合失調症で社会復帰を目指す人にとってメリットが多くあります。どのようなメリットがあるのか、ここでいくつかご紹介します。

統合失調症との向き合い方を教えてもらえる

就労移行支援は、精神保健福祉士や社会保険福祉士など、専門知識や資格を持ったスタッフが在籍しています。体調管理やメンタルケアなどのノウハウも持ち合わせているので、症状に寄り添った助言やサポートを行ってもらえます。また、希望すれば通院同行も行ってくれるため、事業所内での様子なども主治医に伝えてくれます。

就職をトータルでサポートしてもらえる

障害特性や症状から見た強み、弱みを活かし、自分に合った仕事の見つけ方を教えてくれます。また、配慮を受けながら就労する場合、配慮事項など記した履歴書の書き方や面接対策も行ってくれます。企業に対して、面接では伝えきれなかった特性や配慮なども共有してくれるため、入社後のミスマッチも起こりにくくなります。労働時間や休憩時間など、条件面での交渉もしてくれます。

一緒に頑張る仲間ができる

就労移行支援に通う人は、皆さん何かしら障害や難病を抱えています。それぞれの人が社会復帰という目標に向かって切磋琢磨している場所でもあります。そのため、自分の特性で差別されることもなく、お互いが認め合う環境が整っています。励まし合いながら頑張ることができます。

就労移行なら「ノードワークス」

今回は統合失調症について詳しく解説しました。統合失調症を患っていても、就労移行支援をはじめとする障害福祉サービスを利用することで社会復帰ができます。

ノードワークスは「自分の“なりたい”を実現する」就労移行支援事業も行っています。就職することはもちろんのこと、就職活動だけでなく、生涯役立つスキルを身につけることを目指します。また、就職後は仕事を継続できるように定期的なサポートも行っているため、安心してご利用いただけます。

生活や就職において困りごとがある方は、ホームページの「お問い合わせ」もしくはお電話で、お気軽にご連絡ください。

https://nodo-works.jp/
https://nodo-works.jp/about-use/

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事