就労移行支援にいじめはある?予防法や対処法を徹底解説
就労移行支援を利用検討している人の中には、事業所内での人間関係に不安を抱いていたり、いじめられたらどうしよう…と心配に感じたりしている人もいるでしょう。
そこで今回は、就労移行支援でのいじめの有無について説明します。いじめが怖くて就労移行の利用を躊躇している人や人間関係の構築が苦手な人など、ぜひ参考にしてください。
【このコラムを読んでもらいたい方】
- 就労移行支援の利用を検討している方
- 就労移行支援での人間関係に不安を感じている方
- 就労移行支援への通所が辛いと感じている方
- 人付き合いが苦手な方
【このコラムを読んで得られる情報】
- 就労移行支援事業所でのいじめの実態
- いじめを受けやすい人の特徴
- いじめにあわないための事業所の選び方
- いじめにあった時の対処法
就労移行支援事業所でのいじめ
前提としてほとんどの就労移行支援事業所は、いじめなどなく平和な環境です。障害者施設なのでいろいろな障害の特性を持った人がいます。その中には人付き合いが苦手な人、トラブルを起こしやすい人もいます。
しかしその分、事業所の運営ルールやスタッフのケアが行き届いているため、学校や職場と比べて優しい世界と言えます。
ただし、ごく一部の事業所にいじめが存在するのは事実です。このいじめは、大きく分けて2種類のいじめがあります。ここからはその内容について詳しく解説していきます。
他の利用者からのいじめ
いじめの加害者も被害者も障害を持っているため、感情のコントロールがきかなかったり、相手の気持ちがわからず心ない言動や行動に出てしまったりすることもあります。
実際にいじめの体験談として、
- ほかの利用者から陰口を言われて辛い
- ほかの利用者から自分だけ無視をされる
- 意見が食い違い胸ぐらをつかまれた
など、暴言や暴力、悪口などがあがっています。
これらの中には起こった事実をネガティブに捉えてしまうケースもありますが、ほかの利用者の言動や行動によって辛いと感じてしまうことがあります。
スタッフからのいじめ
スタッフは障害者の支援を行っているため、利用者に対し障害の種類に関わらず公平に対応し、利用者の声に耳を傾けることが仕事です。ただ、ごく一部の事業所では、
- 就職活動をさせてもらえない
- 作業しかやらせてもらえない
- 作業を教えてもらえない
など悪質なスタッフもいるようです。
本来事業所は利用者の就職を目的としているため、就職活動をさせずにとどまらせる利点はありません。一方で、利用者の習熟度を客観的に見て「就職準備が整っていない」と伝える場合があります。また利用者の特性や得意なことを伸ばす作業内容など、利用者の状態や特性に合わせた訓練内容を行う場合が多い傾向です。
いじめのターゲットになりやすい人の特徴5選
いじめはいかなる理由があっても許されることではありません。「いじめられる側にも原因がある」と言われる場合がありますが、それは違います。自分にとって不都合が起きた時に暴言や暴力、無視で解決しようとする人は、メンタルに何らかの異常がある可能性が大きいと言えます。
ストレスを抱えていたり、不満があったりすると、心に溜めこんだ負の感情を外へ発散させようとします。その手段として暴力や暴言などを用いて、自分よりも弱者に対して攻撃をしてしまいます。反対にストレスもなく充実している人はいじめなどを行いません。
とはいえ、いじめのターゲットになるのは避けたいところです。ここからは、いじめのターゲットになりやすい人の特徴について見ていきましょう。
自己主張が苦手
嫌なことを断れなかったり、自分の気持ちを押し殺してしまったりと、相手に合わせてしまう人がいます。裏を返せば、相手を思いやることができる忍耐強い人とも言えます。
しかしそのような人は心の中で「自分さえ我慢すればいい」と思ってしまう傾向にあります。
何でも許容してしまうと、いじめる側は「この人には何を言ってもいい」「何をやっても許される」と解釈してしまい、いろいろな要求や暴力、暴言などいじめに発展しやすくなります。
極端に苦手なことがある
障害者の中には、障害の特性により極端に苦手なことがある場合があります。例えば、作業スピードが遅い・忘れ物やミスが多い・理解や解釈に時間がかかる・空気が読めないなどです。
そのことで周囲に迷惑や負担をかけ、相手を苛立たせてしまうなど、いじめに発展するケースが存在します。とはいえ、それらが理由でいじめてもよいという理由にはなりません。
真面目過ぎる
どのようなことにも真面目で正義感を持つことは素晴らしいことです。しかしながら、世の中には白黒つけられないことや、人との付き合いにおいても時と場合により、正義感では語れないこともあります。
特に人付き合いでは、真面目過ぎたり、過度な正義感は敬遠されたりします。
例えば、ちょっとした不正をスタッフへ告げ口する・相手の立場や事情を鑑みず正論を押し通すなど、「この人は付き合いづらい、厄介な人だ」と思われる引き金になります。
清潔感がない
髪の毛や服装、体臭など最低限の身だしなみが整えられていないと、周囲から敬遠される要因の一つになります。例えば、寝ぐせがついている・口臭や体臭・洋服の汚れやシワ・過度のメイクや香水などがあります。
特に見落としがちなのが、洋服や靴下の穴などです。自分では気付きにくいですが、周囲には清潔感がなく不快な印象に映ります。
「相手にどのような印象を与えているか」といった想像力に欠けている可能性があり、知らず知らずのうちに相手に不快感を与えてしまいます。
周りより優れた点がある
優れた点や才能があることは良いことのように思われますが、時にそれが周囲からの嫉妬や妬みの種になってしまうことがあります。
例えば、容姿が整っている・裕福な家庭環境である・高学歴・一流企業出身などは、自分では変えることのできない過去や環境かもしれませんし、自分の努力の結果かもしれません。
しかし、本人がそれらを周囲に自慢したり、違う立場の人を馬鹿にしたりする態度をとれば、反感を買ってしまいます。
就労移行支援事業所でいじめにあわないためのポイント
いじめにあわないためには、自分でも気を付けることや事前の下調べなどポイントがいくつかあります。後悔しないためにも、就労移行支援事業所に通所する前に学んでおきましょう。
就労移行支援事業所を選ぶ際は、見学する
就労移行支援事業所を選ぶ際の注意点と同様に、利用を決める前には見学や体験などを行い、事業所の雰囲気や利用者の様子など自分に合うかどうか確認しておきましょう。
利用者同士の関係性やスタッフと利用者の関係性などは、講座や作業の中で見えてきます。見学や体験を通じて自分の目で確認・検討することが、後悔なく就労移行支援事業所を利用する上で大切です。
ターゲットになりやすい言動を控える
前述のとおり、「いじめのターゲットになりやすい人の特徴」に関して、改善できるところは意識して改善することが必要です。
自己主張を意識する・身だしなみを整えるなど、自分の努力で変えられる部分については改善していく必要があります。また、相手が持ち合わせていない要素やステータスの話は控えるなど、トラブルに発展しやすい言動や行動はやめましょう。
就労移行支援事業所のルールを守る
就労移行支援事業所では、一般的なコミュニティにはない独自のルールが設けられていることが多くなっています。例えば、
①個人的な連絡先の交換の禁止
これには連絡の行き違いによるトラブルや仲間外れ、恋愛関係のトラブル防止の目的があります。
②少額であっても金銭の貸し借りや“おごる”行為の禁止
これには金銭トラブルや人間関係のトラブル防止の目的があります。
こうしたルールは、過去のトラブル事例をもとに作られていることが多いため、ルールを守ることが自分を守ることにも繋がります。
いじめにあってしまった場合の対処法
事業所内で起きたトラブルについては、一人で抱え込まずに何らかの対応をとることが大事です。対処法はいくつかあり、これから紹介するいずれかを行えば問題は解決します。ぜひ参考にしてください。
信頼できるスタッフに相談する
利用者同士のトラブルであれば、まずは利用者のことを一番理解しているスタッフへ相談しましょう。相談をする際には感情的にならず、きちんと説明できるように事実関係を整理しておくことが必要です。
もしも「気にしすぎでは」と流されそうな場合には、いじめの証拠を提出したり、その場に居合わせた証人にも同席してもらったりして、きちんと対処してもらいましょう。
利用する事業所を変える
いじめの加害者がスタッフである場合など、相談しても解決しない場合や相談できない相手の場合には、事業所を変えてしまうのも一つの解決方法です。無理をするよりも環境を変えてしまうほうが精神衛生上も良いと言えます。就労移行支援事業は途中で事業所を変えても、残りの期間は通所可能です。
専門機関に相談する
個人では解決できないほど大きなトラブルや、事業所としての対応が不適切な場合には、下記専門機関へ相談するのも一考です。
- 市町村の障害福祉課
- 都道府県の運営適正化委員会
運営適正化委員会は、福祉サービスを適切に利用するために相談や苦情を受け付けたり、施設に指導してくれたりする委員会です。
就労移行支援事業所のいじめはレアケース!でも困ったときは相談しよう
基本的に就労移行支援事業所でのいじめはレアケースであり、大半の事業所は障害への理解があり、優しい人が多いので安心して利用できる場所です。万が一、いじめにあってしまったり、辛いと感じたりすることがある場合には、一人で抱え込まずに相談しましょう。
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