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就労移行支援がADHD(注意欠如・多動性障害)の方におすすめの理由

近年、「大人の発達障害」という言葉が注目されています。本記事では、就労移行支援が「ADHD(注意欠如・多動性障害)」の人におすすめの理由について、事例をまじえて解説します。

【このコラムを読んでもらいたい方】

  • ADHD(または疑いがある)で就労移行支援の利用を検討している方
  • 就労移行支援を利用したいが不安のある方
  • どの就労移行支援事業所を選べばよいかわからない方

【このコラムを読んで得られる情報】

  • ADHD(注意欠如・多動性障害)について
  • ADHDの人に向いている仕事・向いていない仕事について
  • 就労移行支援事業所選びで失敗しないためのポイント

ADHD(注意欠如・多動性障害)とは

ADHD(注意欠如・多動性障害)とは、発達障害の一つです。主な症状として挙げられるのは、ミスが多くなるといった「不注意」、じっとしていることが苦手である「多動性」、思い立ったらすぐに行動してしまう「衝動性」などです。

この障害は目に見えてわかるものではなく、誰しも多少は「不注意」や「多動性」、「衝動性」といった側面を持っているものです。そのため、本人も周囲も障害だと気付かずに日常生活を送る中、特に学校や職場といった他者と一緒に過ごす環境で苦労するケースが多く見られます。

ADHDの3つのタイプ

ADHDはその特性の現れ方によって、次の3つのタイプに分けられます。

①不注意優位型
不注意優位型の方は物事に集中することが難しい傾向にあります。この型は集中することが苦手であり、不注意によるミスで時間のロスが生じる結果、他の人よりも仕事が遅くなってしまいがちです。また、与えられた課題を順序立ててこなしていくことも苦手です。

②多動性・衝動性優勢型
多動性・衝動性優勢型の方は落ち着きがあまりなく、長時間机に向かうことが苦手です。黙って座っていなければならない席で手足をそわそわ、もぞもぞと動かすことも特徴として見られます。

また気に障ることを言われるとすぐにカッとなって手を出す・順番を待つことができず無理に割り込むなどの行動を起こすため「怒りやすく身勝手な人」と思われがちです。

③混合型
不注意と多動性・衝動性の特徴を併せ持つタイプが混合型です。このタイプが3つの中で最も多く、ADHDと診断された方全体の70%を占めると言われています。

ADHDの人によくある仕事での困りごと

ADHDの方に多く見られる仕事での困りごとには、以下のようなものがあります。

  • 人より仕事のミスが多く作業に時間がかかる。衝動性によって人間関係のトラブルを起こしてしまう。
  • 職場内で適切な人間関係を築くことが難しい。他者との距離感がわからず、孤立してしまう。
  • 見た目では障害を持っていることがわかりにくいため、仕事のミスなどを「本人の努力不足」や「性格の問題」であると非難されやすい。
  • 自分なりに直そうとは思っているが、同じ失敗を繰り返してしまうことで自信をなくしてしまい、仕事に行くことが嫌になる。
  • 短い期間で離職、転職を繰り返してしまう。うつ病や摂食障害、アルコール依存症などの二次障害を発症する。

ADHDの人に向いている仕事・向いていない仕事

一口にADHDといっても、そのタイプによって特性が違います。中には、自分の好きなことに対して人一倍の集中力を発揮できる人もいます。
あくまで一般的な傾向として向いている仕事・向いていない仕事をご紹介しますので、ぜひご参考にして下さい。

向いている仕事

ADHDの方が持つ「強み」として、決断や気持ちの切り替えが早いなどの「フットワークの軽さ」、表情が豊かであり情緒的であるといった「感受性の豊かさ」、興味・関心のあることに対して集中力を発揮し「とことん追及する力」が挙げられます。

それらを踏まえて考えると、以下の仕事がADHDの方に向いていると言えるでしょう。

  • アイデアや創造性を活かせる仕事
  • 活動的な仕事
  • 自分のペースで取り組める仕事

具体的な例として、起業家、芸術家、カメラマン、農業・林業、建築作業などがあります。

向いていない仕事

逆にADHDの方に向いていないとされる業務もあります。例えば一度に多くの処理を求められる業務は、マルチタスクが不得意とされるADHDの方には向いていないと言われています。また、一つのミスで取り返しのつかない事態を招きかねない業務についても、ADHDの方にとっては負担が大きいため避けたほうがよいでしょう。

具体的には以下のような仕事が挙げられます。

  • マルチタスクが求められる業務として、経理や人事、電話応対を行う一般事務など
  • 少しのミスも許されない仕事として、看護師や医師など

ADHDの人には就労移行支援がおすすめ

ADHDの方が就職を目指す際、就労移行支援を利用するのがおすすめです。

就労移行支援とは「障害者総合支援法」に基づく障害者福祉サービスの一つです。一般企業への就職(一般雇用・障害者雇用)を目指す方に向けて、知識の獲得とスキル向上、就職活動などの支援を行っています。

利用できるのは原則18歳〜65歳の方で、身体障害・知的障害・精神障害・発達障害や難病などのある人が利用できます。障害者手帳がなくても利用できる場合がありますので、利用の際はお住いの市区町村の担当窓口に確認してみましょう。

就労移行支援の利用料金は世帯収入によって決まりますが、多くの方が無料で利用できる場合が多くなっています。

転職サイトや転職エージェントとの違い

「就労移行支援」と「転職サイト・転職エージェント」の違いが良くわからない方もいらっしゃると思います。

転職サイトや転職エージェントの主なサービスは「求人の紹介」や「面接に向けた調整」となります。多くは一般雇用を目的としたものですが、最近は障害者向けのサービスもあります。いずれにしても「就職」することに特化した支援と言えるでしょう。

一方、就労移行支援は訓練を通して「安定して長く働くこと」を目指す支援です。就職に向けた支援に加えて、自己管理やビジネスマナーなど、働くために必要な知識や技術が身に付くプログラムが用意されています。

就労移行支援でできること

就労移行支援でできることは、主に下記の4つです。

  • 就労に向けたトレーニング
    ビジネスマナーといった社会で必要になる知識や技術だけでなく、自身の障害に対する理解を深める訓練も行います。
  • 職場見学・実習
    実際に職場の様子を見学し、また実習を通して「働く」イメージを掴んでもらいます。
  • 就職活動・面接練習
    応募書類の作成や面接練習など、全般的な就職活動の支援を行います。
  • 定着支援
    就職後も定期的に面談を行い、長く働き続けられるようにサポートを続けます。

ADHDの方の特性に合わせてミスを防ぐ方法など、仕事で実践できるテクニックも多く教えてもらうことができるため、仕事の困りごとが減り長く続けられるようになります。

利用の流れ

それでは、就労移行支援を利用する際はどのような手順を踏めばいいのでしょうか。利用までの流れを見ていきましょう。

  • 就労移行支援事業所を探し、問い合わせ
    自身の希望に沿った訓練を行っている事業所を探し、問い合わせてみましょう。
  • 見学・体験
    すぐに利用を開始するのではなく、いくつかの施設を見学・体験し自分に合っているかを見定めましょう。
  • 受給者証の申請・発行
    お住まいの市区町村の担当窓口にて、必要な手続きを確認し申請を行いましょう。
  • 利用契約
    通所先事業所と利用契約を結びましょう。
  • 利用開始
    無理なく通所できるペースを支援者の方と話し合い、訓練に参加してみましょう。

就労移行支援事業所によって訓練の内容や施設の雰囲気が異なるため、必ず自分の目で見てから選ぶことをおすすめします。

就労移行支援を利用してADHDの方が就職した事例

次に、就労移行支援を利用してADHDの方が就職した事例を紹介します。ぜひ就労移行支援を利用する際のご参考にしてください。

大人になってからADHDに気付いたAさん

Aさん(30代・女性)はADHDの診断を受けています。ただ、子どもの頃から診断が出ていたわけではなく、「自分がADHDである」と知ったのは大人になってからでした。

子どもの頃から人づきあいが苦手で、何となく周囲と馴染めないとは思っていたそうです。ただ、自分も家族も「それが障害だから」と思うことはなく、そのまま高校・大学を経て社会人まで過ごしていました。

社会人になって1年後、仕事で失敗が続き心身ともに疲弊し、うつ症状がでるまでになっていました。その際に受診した医療機関でこれまでの経緯を話したところ、ADHDという診断がつきました。

その後は勤めていた会社を退職し、就労移行支援を利用する中で自分の特性の理解と対処法を学びました。結果として、自分に合った働き方のできる企業に就職でき、現在は生き生きと働くことができています。

ストレスとの付き合い方を身に付けたBさん

Bさん(40代・男性)は休職をきっかけに受診した医療機関で、ADHDであると診断を受けました。Bさんには、思い当たる出来事がいくつもあったようです。

例えば「他人からの注意や指摘に過度に落ち込んでしまう」「完璧主義で、自分が納得できるまで作業に時間をかけてしまう」「ストレスで仕事を休みがちである」といったもので、自分でも改善したいとは思っていたものの、なかなかうまくいかず悩んでいました。

その後、就労移行支援という福祉サービスがあることを知り、訓練に参加する中で「感情のコントロール方法」や「ストレスの対処法」を学びました。また、自分の特性への対処として「仕事の優先順位の付け方」や「期日に遅れた場合の対処法」も身に付けることができたそうです。現在は再就職を目指し、就職活動に励んでいます。

就労移行支援なら「ノードワークス」

今回は、就労移行支援がADHD(注意欠如・多動性障害)の方におすすめの理由について解説しました。

ノードワークスでは就労移行支援事業を行っています。無償で昼食提供を行っている上、綾瀬市には通所交通費助成があるなど経済的な面でのメリットもあります。就職はもちろんのこと、就職後も仕事を継続できるように定期的なサポートも行っているため、安心してご利用いただけます。もし気になった方は、ぜひ一度見学にお越しください。

また、生活や就職において困りごとがありましたら、ホームページの「お問い合わせ」もしくは「お電話」にてご連絡ください。

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