就労移行支援には闇があるって本当?6つのウワサを徹底検証
就労移行支援の利用を検討する際、「闇がある」と聞いて不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。「闇」、つまりネガティブな情報にはどのようなものあるか、原因は何かを知ることによって、不安を解消できることもあります。本記事では「就労移行支援の闇」と言われる情報を検証・解説します。
【このコラムを読んでもらいたい方】
- 就労移行支援の利用を検討している方やそのご家族
- 就労移行支援を利用したいが不安のある方
- どの就労移行支援事業所を選べばよいか分からない方
【このコラムを読んで得られる情報】
- 就労移行支援に関するネガティブな情報と原因について
- 就労移行支援に対するポジティブな意見について
- 就労移行支援事業所選びで失敗しないためのポイント
就労移行支援には闇があるって本当?
まず前提として、多くの就労移行支援事業所は親身になって就職を支援してくれる場所であり、健全な運営をしています。そのため、安心して利用できる場所であることに変わりはありません。
ただ一方で、「就労移行支援は闇がある」と言われるのも事実です。「闇」と言われる情報の中には、受け取る側の誤解であったり事実無根の情報もあったりしますが、大きく分けると「利用者の不満によるもの」と「悪質な事業者によるもの」の2つが原因になっていることが多くなっています。
それでは「就労移行支援の闇」について、以下で詳しく解説します。
就労移行支援の闇【利用者の不満によるもの】
就労移行支援の闇について、まずは利用者の不満によるものをご紹介します。ただ、これらの内容は必ずしも事業所側に問題があるということではなく、「就労移行支援の特徴」と言える部分もあります。
- 訓練内容のレベルが低い
- 利用者同士の人間関係が悪い
- 給料や工賃がもらえない
以下で利用者の不満について詳しく解説します。
訓練内容のレベルが低い
就労移行支援の訓練では、ビジネスマナーやパソコンスキル、就職活動に関する支援はもちろんのこと、基本的な生活を送るための技術や自己管理の方法についても教えます。例を挙げると「生活リズムの整え方」や「心身のセルフケア」「障害の特徴との向き合い方」「金銭管理」などがあります。
これらは安定して働いていく上で大変重要なことではありますが、既にこれらが身についている一部の人にとっては「訓練のレベルが低い」「通ってもムダだ」と思われることがあります。
利用者同士の人間関係が悪い
就労移行支援を利用されている方々は、それぞれが何かしらの障害や難病を抱えています。
例えば精神障害や発達障害の場合、身体的な障害と違って「見た目」からは分からなくても、障害の特性としてコミュニケーションが苦手な人も多くいらっしゃいます。一例を挙げると、思ったことをすぐ口に出してしまう、空気を読むのが苦手、自己主張が苦手、こだわりが強い、などがあります。
また、人間関係で適度な距離感を保つことが難しくトラブルが起きてしまうこともあり、悪化するといじめやストーカーなどの問題に発展する事例も存在します。
給料や工賃がもらえない
就労移行支援とは、あくまで「就職の準備をする」ための場所であり、ゴールは「企業に就職し、働く」ことにあります。生計を立てることが利用目的ではないため、訓練に参加することによる給料や工賃は支払われません。同様に就職を目的としている場所であることから、利用期間中はアルバイトなども原則禁止されています。
訓練の中には、就職の準備として数日〜数週間程度の職場実習をする場合もあります。ただ、こちらも基本的に給料は出ないことが多いため、利用される方の中には「タダ働きだ」と感じられることもあるようです。
就労移行支援の闇【悪質な事業者によるもの】
就労移行支援の闇について、次に悪質な事業者によるものをご紹介します。
- 障害に対する理解がない
- 金儲けを優先している
- 不正をはたらいている
以下で悪質な事業者について詳しく解説します。
障害に対する理解がない
就労移行支援事業所は、障害や難病で就職に対し困りごとのある人が利用する場所です。本来であれば、そこで働くスタッフは障害に関する知識や支援技術を熟知し、支援者として障害とうまく付き合っていくための方法を教える立場にあります。
しかし、ごく一部では障害に対する理解や支援する力が乏しく、支援者として不適切な言動を取る人もいます。一例として「遅刻や欠席を“甘え”と決めつける」「苦手な作業を“努力不足”と責める」「障害者を見下すような態度をとる」などがあります。
金儲けを優先している
そもそも、就労移行支援事業所を運営する会社も一つの企業です。赤字になると運営を継続することが難しくなり、十分なサービスを提供できなくなってしまいます。そのため、利益を追求することは組織運営にとって大変重要なことです。
就労移行事業は公的な福祉サービスの一つであり、事業所は国から支払われる報酬によって運営されています。ほとんどの事業所は限られた人数のスタッフで利用者を確保し、同時に就職率を上げることができるように就職に向けた支援に力を入れています。
ただし、一部の悪質な事業所では以下で紹介する不正をはたらくなどして、利用者よりも利益を優先した運営をしていることがあるようです。
不正をはたらいている
不正を行っている事業所の例には、以下のようなものがあります。
- 訓練内容は教材を渡すだけで利用者を放置し、適切な支援を行わない
- 利益を得るため、実際に通所していない人の分まで報酬を請求する
- 安定して通所できる人を、あえて就職させずに繋ぎとめる
就労移行支援の歴史を振り返ると、数ある障害福祉サービスの中でも比較的新しいものであり、このサービスが開始された当初は全国で事業所数が爆発的に増加したという経緯があります。
しかし施設の増加に伴って、一部では不正をはたらく事業者もあらわれたため、法改正によって「一定数の利用者を就職・定着させた事業所の報酬が高くなる」という仕組みに変わりました。
事業所数自体は2017年をピークに減少しましたが、結果として良い事業者が生き残っています。
出典:厚生労働省「就労移行支援に係る報酬・基準について≪論点等≫」
一方で、就労移行支援へのポジティブな意見も多い
ここからは、就労移行支援に対するポジティブな意見をご紹介します。
- 「障害特性の理解を深めることができました。自分の特性は理解していたつもりでしたが、仕事をする上でどう対処すればよいかについても知ることができました。」
- 「同じ悩みや不安を持つ方と交流ができました。また、障害を理解してくれる優しいスタッフも多く、親身になって自分の考えを聞いてもらえたのが良かったです。」
- 「手厚く就職活動の支援を受けることができました。障害者雇用について詳しく説明してもらい、履歴書作成や面接についても丁寧にサポートしてもらえました。」
- 「普段の講座だけでなく、楽しめるイベントがあったのも良かったです。気分転換をすることができ、また来週から訓練を頑張ろうと思うことができました。」
就労移行支援事業所選びで失敗しないためのポイント
最後に、就労移行支援事業所選びで失敗しないためのポイントをご紹介します。ポイントを参考に、自分に合った事業所を探してみましょう。
- 自分の障害を理解する
- 自分に合った事業所を選ぶ
- 見学や体験利用をする
以下で詳しく解説します。
自分の障害を理解する
自分に合った就労移行支援事業所を探す上で大切なポイントの一つとして、診断名だけではなく、障害特性や向いている仕事、向いていない仕事なども知っておくことが大切です。
例えば「体力に自信がない」と感じているのであれば「なるべく自宅から近い事業所」を探し、「人が多い場所が苦手」であれば「規模が小さめの事業所」を探した方が通いやすいでしょう。
このように、自身の障害特性を知り、それに合った事業所を探すことが大切です。
自分に合った事業所を選ぶ
一口に「就労移行支援事業所」と言っても、事業所によってさまざまな特徴があります。
例を挙げると、発達障害の方を専門としている事業所、プログラミングを学んでIT業界での就職を目指す事業所、簿記やFP、福祉系の資格取得を目指す事業所、事務系の就職に強い事業所などです。
就労移行支援の利用を希望する事業所がある場合は、就職率や定着率の実績も調べておきましょう。もし自分の特性や目的に合わない事業所を選んでしまうと、「闇」を感じることが多くなるかもしれません。
見学や体験利用をする
通所先を決めるにあたって、事業所やスタッフの雰囲気を知っておくことは重要です。悪質な事業者は論外ですが、違反などをしていない一般の事業者であったとしても、人によって合う・合わないがあります。
利用者に対するスタッフの態度、利用者同士・スタッフ同士のやりとりなどを自分の目でチェックしておきましょう。そのためにも、見学や体験に参加し、自分の目で施設内の様子を確かめておきましょう。
就労移行支援に関するご相談はノードワークスへ
今回は、就労移行支援の闇と言われる部分について解説しました。通所を希望する事業所がある場合は事前に情報を収集し、自分に合っているかどうかを見極めてから決めましょう。
ノードワークスでは就労移行支援事業を行っています。無償での昼食提供を行っており、綾瀬市には通所交通費助成があるなど経済的な面でのメリットもあります。就職はもちろんのこと、就職後も仕事を継続できるように定期的なサポートも行っているため、安心してご利用いただけます。また、就労支援以外にも生活の場としてグループホームの利用相談に対応しています。もし気になった方は、ぜひ一度見学にお越しください。
また、生活や就職において困りごとがありましたら、ホームページの「お問い合わせ」欄から、もしくはお電話にてご連絡ください。
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