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「就労移行支援=ハードルが高い」はもう古い。誰もが気軽に利用できる「町の相談役」へ

就労移行支援事業とは、障害のある方の社会参加をサポートするための事業です。

具体的には、就業に向けたさまざまなトレーニングを行い、働くために必要なスキルや知識を習得する場所です。そして、就職後も職場に定着できるようサポートを行います。

今回は、「就労移行支援」という言葉を最近知った方や、「自分は受けることができるのだろうか」と不安に思う方向けに、近年の実態や利用できる層について、分かりやすく説明していきたいと思います。

以前よりも身近になりつつある就労移行支援

「就労移行支援」一般的にはあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、じつは近年、就労移行支援を利用して就職する方が増えています。

以下は、厚生労働省が出した『令和2年社会福祉施設等調査の概況』からの表です。

表4 事業の種類別にみた事業所数

上記の表を見ると、令和2年(2020年)10月時点での事業所数は3,301ヵ所となっています。

厚生労働省の「社会福祉施設等調査:結果の概要」を年度毎に見ると、2014年の事業所数は2,858ヵ所、2015年は3,146ヵ所だったため、年々増加していることがわかります。

表6 事業の種類別にみた利用状況

出典:厚生労働省

上記の表を見ると、就労移行支援事業の利用者数は令和2年(2020年)10月時点で40,288人となっています。2014年の利用者数は23,188人、2015年は28,491人だったので、こちらも増加傾向にあることがわかります。上記の数字を多いと見るか少ないと見るかは人それぞれだと思いますが、就労移行支援というサービスが増えてきていることは間違いありません。

就労移行支援の具体的な流れ

「就労移行支援事業所」と一言で言っても、事業所によって指導方法やサービス内容の細かな部分は異なってきます。そのため今回は、「ノードワークス綾瀬」での就労移行支援の大まかな流れをご紹介します。

①就職相談

まずは就職に向けての一人ひとりの希望をヒアリングしながら、個人の目的やペースに合わせて一緒に計画を立てていきます。

②就職準備

就労に関わる知識やスキルを習得するためのプログラムに参加。生活リズムも徐々に取り戻していきます。

主な例)

  • 挨拶・身だしなみ
  • 電話・来客対応
  • ビジネスコミュニケーション
  • ソーシャルスキルトレーニング
  • ストレスマネジメント
  • グループワーク・レクリエーション

③就職活動

主な例)

  • 業界・企業研究
  • 自己分析
  • 自己PR・志望動機作成
  • 履歴書・職務経歴書作成
  • 模擬面接

場合によっては、就活を始める前に企業実習を受けることもできます。さらにノードワークス綾瀬では、利用者さまがトータルで安心できるサポート体制を築くために、晴れて就職が決まった後も、原則6ヶ月間定期的に面談を実施し、職場に定着するための「職場定着支援」も行います。

就労移行支援と就労継続支援A型・B型の違い

就労移行支援とよく間違われやすい支援のあり方として、就労継続支援A型・B型があります。これらは似ているようで、サービス内容や利用対象者がまったく異なるので、その違いをきちんと認識しておく必要があります。

「就労移行支援」は、あくまで「一般企業への就職を希望する方」が対象なのに対し、「就労継続支援」は、一般企業への就職が困難な障害・難病を抱える方や、就労移行支援を利用しても就職に辿り着けなかった方が対象となります。

また、就労移行支援事業所は「就職するために必要なスキルを身につける場所」であったのに対し、就労継続支援事業所は「働く場」となるため、賃金(工賃)が発生するのも大きな違いです。

他にも、就労移行支援事業所は原則2年の利用期限があるのに対し、就労継続支援事業所には利用期間の制限がないのも主な違いとなります。

また、就労継続支援にはA型・B型があると上述しましたが、就労継続支援A型では原則18歳以上65歳未満と年齢制限があり、B型では年齢制限がありません。その他、雇用契約の有無や平均月収が異なるなど、細かな違いがいくつかあります。

以下、就労移行支援と就労継続支援A型・B型について表にまとめたので参考にしてみてください。

就労移行支援事業

就労継続支援A型事業

就労継続支援B型事業

 

 

事業概要

一般企業での就労を希望する方に対し、①生産活動、職場体験等の機会の提供、その他就労に必要な知識・能力向上のために必要な訓練、②求職活動支援、③職場の開拓、④就職後、職場への定着のための支援を行う。

(標準利用期間:2年)

一般企業での就労が困難な方に対し、就労の機会の提供、また生産活動の機会の提供、その他就労に必要な訓練等の支援を行う。

(利用期間:制限なし)

一般企業での就労が困難な方に対し、就労の機会の提供、また生産活動の機会の提供、その他就労に必要な訓練等の支援を行う。

(利用期間:制限なし)

 

対象者

企業への就職を検討する方

※65歳以上でも要件を満たせば可

一般企業での就職が困難な方(原則18歳以上65歳未満)

※65歳以上でも要件を満たせば可

一般企業・A型事業所での就労が困難な方(年齢制限なし)
報酬単価 502〜1,094単位/日 324〜618単位/日 565〜649単位/日

参考:厚生労働省「障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス」

不安障害、うつ病など。障害者手帳がなくても利用可能

ここまでの話を聞いても、「就労移行支援を利用したいけど、障害者手帳がない」「利用者条件に当てはまるかわからない」「本当に仕事が見つかるか不安」などの悩みをお持ちの方も多いのではないかと思います。就労移行支援は、たとえ障害者手帳を持っていなくても、自治体などの判断によって利用することができます。

たとえばうつ病や躁うつ病(双極性障害)、不安障害、適応障害など、先天性障害ではなく、日常生活を送る上で誰もがなり得る可能性のある障害であっても対象となる場合があります。その他、統合失調症やアルコール依存症、てんかん、パニック障害、また発達障害であるADHDや学習障害(LD)、自閉症スペクトラム、知的障害、聴覚障害、視覚障害、難聴など、対象となる障害はじつにさまざまです。

そのため、もしあなたが「過去のミスや失敗に対する恐れや不安が大きい」「人とコミュニケーションをとることが苦手」「働きたいが、どうすればいいかわからない」といった悩みを抱えているなら、場合によっては就労移行支援を受けることができるかもしれません。

上記のような「この程度で相談して良いのか…」と悩むことであっても、一度事業所に相談してみることをおすすめします。

ひとりでは解決できなかった悩み解消へ

一人ひとり、目的や悩みは違います。就労移行支援事業所は「就労のプロ」なので、一人ひとりに合わせた悩みへの提案を行い、より再現性の高い実践的なスキルや知識習得へのサポートを行ってくれます。

ノードワークス綾瀬でできること

ノードワークス綾瀬では、社会福祉士等の福祉資格を取得しているスタッフが在籍し、学校法人生蘭学園 生蘭高等専修学校の先生方のサポートもある、しっかりとした専門知識のある事業所になります。

そのため、就労のプロの視点から見たより的確なアドバイスや提案を受けることができます。

また、ノードワークス綾瀬の職業指導員は当サイトのインタビューで、「相談に来られたからといって『利用しなければならない』といったことはなく、まず誰かに相談できる場所を一人ひとりに作っていきたいと思い取り組んでいます」と語っています。

まさに、相談したからといって「利用しなければならない」といったプレッシャーを感じる必要はまったくなく、またどんな些細なことでも相談できる場所になっています。

そのため、少しでも悩みや気になることがある方は、まずは一度気軽に相談してみてください。一人で悩んで解決できなかったことも、就労のプロと話せば、解決の糸口や手がかりが見つかるかもしれません。

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