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就労移行支援と就労継続支援の違いとは?どちらを選ぶべきかをやさしく解説

就労移行支援と就労継続支援はどちらも、利用者の就労をサポートする福祉サービスです。ですが、対象者や目的、賃金の有無などそれぞれにいくつかの違いがあります。

就労移行支援と就労継続支援の違いをチェックしたうえで、自分にマッチしたサービスを選ぶのがベストだと言えるでしょう。

この記事では、就労移行支援と就労継続支援の違いや概要などを紹介します。それぞれのサービスを併用できるかといった点についても取り上げているため、ぜひ参考にしてください。

・この記事を読んでほしい方

  • 就労移行支援と就労継続支援の違いを知りたい方
  • 就労サポートの福祉サービスを受けようと考えている方
  • 就労移行と就労継続を併用したい方

・この記事を読んで分かること

  • 就労移行支援と就労継続支援の違いや概要
  • 各サービスを併用できるかの可否

就労移行支援とは

就労移行支援とは、就職するために必要なスキルを身に付けるための福祉サービスです。ここでは具体的にどのようなサービスが受けられるのか、どのくらいの人が利用しているのかといった点を解説します。

出典元:厚生労働省「障害福祉サービス等について」

サービス内容

就労移行支援では、事業所内で行う一般就労に向けて必要なスキルを身につける訓練を行います。一人ひとりの適性を考慮して、自分にあった職場が見つけられるように、就職活動のサポートも受けられる点が特徴です。

利用者には個別支援計画が用意され、進捗状況に応じて職場実習などを行うこともあります。利用できる期間は原則2年間ですが、必要性が認められれば最長1年分の延長申請が可能です。

就労移行支援施設の現状

就労移行支援は、サービスを提供する事業所数は令和4年12月時点で2,990ヶ所で、利用者は約3万6,000人となっています。事業所数自体は過去と比べると減少傾向にありますが、利用者数や費用額は増加傾向です。

また、利用者の障害種別で利用状況をみると、身体障がい者、知的障がい者の利用割合は減少傾向にある一方で、精神障がい者の利用割合が増加しつつあります。精神障がい者の利用割合は全利用者の約7割となっています。

就労継続支援とは

就労継続支援とは障害者総合支援法に基づいた福祉サービスの1つです。就労継続支援にはA型とB型の2種類があり、それぞれ対象者等が異なります。

ここでは、就労継続支援A型とB型の概要について解説します。 

就労継続支援A型のサービス内容

就労継続支援A型は、通常の事業所で働くことが困難であるものの、適切な支援を受けることで雇用契約に基づいた就労ができる障がい者が対象です。

サービス内容は、「就労機会の提供」「就労に必要となる知識やスキル」「スキルが身についた人に対する一般就労に向けたサポート」などを行っています。また、一定の範囲内であれば、障がい者以外の雇用も可能です。

就労継続支援A型の施設の現状

就労継続支援A型の事業所数は、令和4年12月時点で4,299で、利用者数は約8万人です。費用額は約1,470億円となっており、障害福祉サービス全体の4.6%を占めています。事業所数や費用額ともに増加傾向にあるものの、指定基準の見直しから伸び率は徐々に収まりつつある点が特徴です。

就労継続支援A型の利用者は就労移行支援同様、身体障がい者、知的障がい者の利用が減少傾向にある一方で、精神障がい者の利用は増えており、全体の約5割を占めています。令和3年度時点の平均賃金は時給換算で926円となり、同年度の平均最低賃金930円を少し下回る金額です。

就労継続支援B型のサービス内容

就労継続支援B型は「就労移行支援事業などを利用したものの、一般企業への就職ができなかった人」または「一定の年齢に達している人で就労を通して生産活動に関する知識やスキルの向上が期待できる障がいをもった方」が対象です。

就労継続支援B型では、就労や雇用契約を結ばない生産活動の機会を提供します。具体的には、農作業や部品加工、パンやお菓子作りといった軽作業が中心です。一般就労に求められる知識やスキルが身につけば一般就労に向けた支援も行う点が特徴です。

就労継続支援B型の施設の現状

就労継続支援B型の事業所数は、令和4年12月時点で15,621ヶ所で、利用者数は約32万人です。費用額は令和3年度時点で約4,432億円で、障害福祉サービスの総費用額の約14%を占めます。就労継続支援B型は利用者数、事業所、総費用額ともに毎年増加している点が特徴です。

また、利用者の障害種別は、身体障がい者、知的障がい者の利用割合はやや減少傾向にあり、精神障がい者が微増傾向で、利用割合のおよそ5割を占めています。また平均工賃に関しては、1万円未満/月の事業所の割合が全体の4分の1を占めています。

就労移行支援と就労継続支援の違い

就労移行支援と就労継続支援は、どちらも障がいや難病を抱えた人の就労をサポートする仕組みです。とはいえそれぞれには、以下のような違いがあります。

就労移行支援 就労継続支援A型 就労継続支援B型
目的 就職するために必要なスキルを身につける 就労の機会の提供および生産活動の機会の提供 就労の機会の提供および生産活動の機会の提供
対象者 障害や難病のある人で一般企業への就職を希望する人 通常の事務所に雇用されることが困難な人 通常の事務所に雇用されることが困難な人
雇用契約 なし あり なし
賃金 基本なし 給与あり 工賃あり
年齢制限 65歳未満(条件を満たせば65歳以上も可能) 65歳未満(条件を満たせば65歳以上も可能) なし
利用期間 原則2年以内、1年延長可能 特になし 特になし

ここでは、それぞれの違いについて解説します。

目的

就労移行支援と就労継続支援はそれぞれ支援の目的が異なります。就労移行支援は、一般企業での就労に向けて必要なスキルなどの訓練を行います。一方で就労継続支援は、一般就労が難しい人に対して、就労する機会の提供または生産活動の機会を提供することを目的としている点が違いです。

簡単に言うと、就労移行支援は一般企業で働くための準備に関するサービス、就労継続支援は一般就労が難しい方へのサービスです。

対象者

就労移行支援と就労継続支援では対象者も異なります。就労以降支援の場合、一般企業に雇用される可能性があると見込まれる人が対象です。また、企業への就職を希望していることも対象者の条件となります。一方で就労継続支援は、先述の通り一般企業への就職が難しいと考えられる人が対象者です。

雇用契約

雇用契約の有無も両者では異なります。たとえば、就労移行支援と就労継続支援B型では雇用契約が発生しません。一方で、cでは一般的な雇用契約が発生するため、労働時間や勤務日数、各種保険など標準的な法律に基づいた雇用条件のもと働くことができます。

賃金

就労継続支援と就労継続支援では、賃金の発生に違いがあります。就労継続支援の目的は就職するためのトレーニングであり、直接的に仕事を行って賃金をもらうことはできません。

一方で、就労継続支援では「給料」もしくは「工賃」が発生します。具体的には、就労継続支援の「A型は雇用契約を結ぶ」「B型は雇用契約を結ばない」といった違いから、給料と工賃と言葉に違いが生まれています。

就労継続支援A型の場合、平均で8万1,645円/月の給料が発生する一方で、B型では平均で1万6,707円/月の工賃が発生します。B型の方が得られる工賃(賃金)は少ないものの、業務時間や作業日数の融通を効かせやすい点がメリットで、毎日同じ時間に仕事をすることが難しい人でも無理なく取り組むことが可能です。

年齢制限

就労移行支援と就労継続支援A型の年齢制限は65歳未満が原則です。しかし、条件を満たせば65歳以上でも利用できます。たとえば、就労継続支援A型で65歳に達する前の5年間に障害福祉サービスの支給が決定しており、かつ65歳を迎える前日までに就労継続支援A型のサービスを利用していれば、引き続き利用することが可能です。

一方で、就労継続支援B型には年齢制限がないため、難病や障がいを抱えた人など通常の事務所に雇用されるのが難しい人なら多くが就労継続支援B型を利用できると言えるでしょう。 

利用期間

就労移行支援と就労継続支援は利用期間にも違いがあります。就労移行支援は原則として利用期間が2年以内に定められていますが、就労継続支援はA型B型ともに利用期間の定めがありません。そのため、条件に当てはまれば利用できる範囲で利用し続けることが可能です。

なお、就労移行支援では利用期間が2年以内と定まっているものの、一定の条件が満たされると最大で1年間の延長サービスを受けられます。行政や事業所の協議結果によるものの、就職の見込みがあると判断されれば最長で3年間利用し続けられると言えるでしょう。

ただし、就労移行支援や就労継続支援には利用期間の縛りだけでなく、年齢制限がある点に注意が必要です。いずれも65歳までの年齢制限があるため、申込時は年齢等を踏まえて事業所へ相談する必要があります。(※一定条件を満たせば65歳以降も利用が可能)

就労移行支援と就労継続支援は併用できる?

結論から述べると、就労移行支援と就労継続支援の併用はできません。それぞれ目的や対象者が異なるサービスのため、併用できる範囲が重なっていないためです。ただし、「就労移行支援を利用してから就労継続支援」、「逆に就労継続支援から就労移行支援」へと変更することは可能です。

たとえば、就労継続支援で賃金を得ながら仕事をする感覚を養い、その後は就労移行支援で実際に一般企業への就職を目指す、といった活用方法もあります。就労移行支援と就労継続支援は併用できませんが、使い方次第では両者をうまく活かせるため、ぜひチェックしてみてください。 

就労移行支援と就労継続支援の違いを理解して、自分に合ったサービスを利用しよう

今回は、就労移行支援と就労継続支援の概要や違いなどについて解説しました。「就労移行支援は一般企業への就職を目指す人向け」「就労継続支援は一般企業への就職が難しい人が利用するサービス」です。

また、サービス内容だけでなく、雇用契約の有無や賃金の有無などでも違いがあります。とはいえ、どのサービスも就労に向けたサポートを行ってくれるため、興味のある方は活用してみてください。

ノードワークスは、綾瀬・海老名エリアで活動する就労支援事業所です。就労に向けた各種サポートを行っているため、気になる方はぜひ見学にいらしてください。申し込みは電話もしくは問い合わせフォームから可能です。

https://nodo-works.jp/faq/

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