COLUMN

コラム

  1. HOME
  2. ブログ
  3. インタビュー
  4. 「堅苦しく考えずに、ちょっと不安だから話を聞いてと頼られるような存在でありたいと思います。」——ノードワークス綾瀬 職業指導員・若月 理沙

「堅苦しく考えずに、ちょっと不安だから話を聞いてと頼られるような存在でありたいと思います。」——ノードワークス綾瀬 職業指導員・若月 理沙

——自己紹介をお願いします。

職業指導員という仕事を担当しています。仕事内容は、パソコンスキルやビジネスマナー、書類作成など、企業の中で必要とされるスキルをお教えするといった内容です。
また、企業に対して「企業実習」も行っていて、そちらの同行などもさせていただいています。

——仕事内容について詳しく教えてください。

たとえば「事務系のお仕事に就きたい」といった場合に、実際に企業に行って内部のお仕事を体験する、就職前のインターンのようなものに同行させていただいています。
私の仕事は、業務の中心的部分というよりは、「あったらいいな」と思えるスキルや、リアルな現場で必要となるスキルをお教えするお仕事です。

具体的にいいますと、たとえば私を上司に見立てて書類を提出いただくなど、より実践的な部分でのサポートをしています。
実際企業で働くとなれば、手取り足取り気に止めてくれる上司もいれば、聞いてくるまで見守っている方などさまざまな上司の方がいらっしゃいますので、その時々に合わせてキャラクターを演じ分けています。

——就労移行支援の仕事に携わろうと思ったきっかけは?

私はこの業界は弊社が初めてで、これまでさまざまな職種を経験してきました。直近でいうと医療系の事務をしていました。

今の仕事を始めるきっかけは、発達障害のある息子がいまして、息子を通して、まだ小学生なので養育という部分にはなるのですが、障がいのある方って環境やサポートによって苦手な部分、不得意な部分がリカバーできるということが分かったんです。
そうすると、日頃の行動や言動がとても前向きになるということも分かって。

ただ、息子の場合はまだ小学生なので、親や先生など保護してくれる存在があり、生活していく上で必要な選択をするにあたってもサポートしてもらえる状態にあります。
それが、だんだんと大人になっていくにつれて、やはり自分で決めなくてはならないことが出始めてくる。
そうしたときに、周りの環境にサポート体制があるかないかで、その人の人生や生き方って全然変わってくるんです。

そう思ったときに、障がいの方に対して何か自分ができることはないかと考え始めて、弊社の募集を見つけてチャレンジしました。

——業務の中で大切にしていることを教えてください。

この仕事には資格は必要ないのですが、自分が利用者さんの立場になったときに、もし少しでもわからないことがあると「この人に任せて大丈夫かな」と思ってしまうと思います。
そのため日々自分の中で勉強しようと心がけており、自分自身であらゆることについて勉強したりしています。そうすると自分の自信にも繋がりますし、常に中途半端なことは教えられないなと感じます。

業務の中で日々感じることは、利用者の方それぞれにさまざまなケースやパターンがあり、悩みもさまざまなので、利用者の方を一括りでは括れないなと感じています。
やはり一人ひとり異なる悩みや課題などがあり、それをご本人が発信できればいいのですが、なかなか難しかったり、そういったところをその都度見極められないと本当の支援にはならないという印象を受けました。

まず話を聞いて、信頼関係を築く。やはりそこがないと、抱えてるものも発信していただけないので、その人に本当に合った支援がなかなかできずに、ズレていってしまうと思うんです。

なのでまず心を開いてもらうことが大事で、そのためにはこちらも心を開かないといけないですし、「こういう方だから」といった色眼鏡は一切外してその都度考えて接していかなければならない。同じ人でも、今日できたからといって明日もできるとは限らないので、便宜が効かない仕事だとも思っています。

そのため、そのときの状況や体調に合わせて、こちらの支援の方法やアプローチの仕方というのを常にスタッフ間で共有しながら支援していきたいと考えています。

——ノードワークス綾瀬の環境や働くスタッフについても教えてください。

うちの事業所では、いま生蘭学園さんからのスタッフさんも含めると7名在籍しています。
経験者の方ももちろんいらっしゃいますが、私も全く違う業界から来ていますし、面接の際には、「色んなタイプの色んな経験をされた人を集めたい」という話もされました。
本当に性格も違えば経験も違う、色んな方がいらっしゃるという感じです。

働く環境としては、メリハリがきちんとあるなと感じます。
みなさん、ずっと堅苦しく仕事をされているわけでもなく、仕事の内容から少し話が脱線して、みんなで和気藹々という雰囲気にもなれば、「やろうか」となったらピシッと仕事モードに入ったりと、とてもメリハリのある環境だと思います。

私たちは利用者の方と同じ空間で仕事をしているので、たとえば誰かが就労訓練の会議をしているときに、利用者さんからあまり意見が出なかった場合、違う仕事をしてる私の方に「若月さんどうですか」といきなり振られる、なんてこともあります。

他の施設も、結構オープンな環境であることを意識している事業所さんが多いかなと思います。
たとえば電話がなっていたりとか、他の人が一角で面接をしていたり、というのが本来のオフィスの空間だと思うので、おそらくどこの事業者さんもそこを意識されてるのだと思います。

——今後の目標を教えてください。

「ここにきて良かった」とか、「若月に任せて良かった」、「若月だったらこれについて相談できるかも」、と思ってもらえるような指導員になりたいと思っています。
堅苦しく考えずに「ちょっと不安だから話聞いて」と頼れるような、この場所のお母さんではないですけど、スタッフの中で唯一女性でもあるので、そういった存在でありたいと思います。

ノドワークスとしての目標としましては、まずは「相談するならあそこにしよう」と思っていただけるような施設にしたいと思っています。
私どもの施設は綾瀬市にあるのですが、市の就労移行支援の事業所としては2軒目になります。綾瀬市にある数少ない事業所であることをもっと多くの方に知っていただかなければと思い、いま周知活動や宣伝活動に取り組んでいます。
これからもっと周知活動を頑張っていかなければいけないと思いますが、今後利用者さんが増えて「あそこ良かったから一度相談してみたら」というかたちで少しでも周囲に広まっていったら嬉しいです。

本当に、「ちょっと悩みを聞いてほしい」、そういった理由で気軽に来れる場所でありたいと思っています。行政や市役所でもそういった窓口はありますが、やはり堅苦しいイメージがどうしてもあると思います。
弊社も利用していただけるのが一番嬉しくはあるのですが、私の中ではそれは二の次だと思っていて、まずはどうすればいいのか分からないと悩んでいる方が一番最初に行く場所、そういった場所を目指したいと思っています。

——ご利用者の方、ご利用を検討している方へメッセージをお願いします!

何かできないことがあっても、自分が悪いわけではない、できないことって誰にでもあると思うんです。ただ、それを1人で抱え込んでしまうとやはり苦しくなってしまうので、何事も、例えば相談に来るだけでもいいし、お友達にお悩みを話すだけでもいいと思うんです。
何か一つでも勇気を出して行動することによって、自分の取り巻く環境は変わっていくということををお伝えしたいです。

私どもの事務所も、相談に来られたからといって「利用しなければならない」といったことはなく、まず誰かに相談できる場所を一人ひとりに作っていきたいと思い取り組んでいます。
なので、何か不安に思っていることがあれば、お友達でもわれわれでもどこでもいいので、一歩前に踏み出して相談してみてほしい、そう思います。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事