【わかりやすく解説】就労移行支援事業所とは?メリットや利用すべき人の特徴を解説
就労移行支援事業所とは、障がい者総合支援福祉法に基づいて提供される福祉サービスの1つです。一般企業への就職を目指す障がいや難病を抱えている人が、就職活動などのサポートを受けることができます。
この記事では、就労移行支援事業所の概要や利用対象者の条件、利用することで得られるメリットなどを紹介します。また、どういった人におすすめなのかも取り上げています。ぜひ参考にしてください。
このコラムを読んでもらいたい方
- 就労移行支援の利用を検討している方やそのご家族
- 65歳未満で、将来的に一般企業への就職を希望している方
- 就労移行支援事業所がどういったものなのか知りたい方
このコラムを読んで得られる情報
- 就労移行支援事業所がどういったもので誰が対象なのか
- 就労移行支援事業所を利用することで得られるメリット
- 実際に就労移行支援事業所を利用する際の具体的な流れ
- どういった方に就労移行支援事業所が向いているのか
就労移行支援事業所とは
就労移行支援事業所とは、障がいのある人や難病を抱えている人が社会参加できるように支援する障がい福祉サービスの提供場所です。「障がい者総合支援法」という法律に基づき設置されています。
具体的には、一般企業への就職を目指している人が仕事に関する知識やスキルなどを向上させ、実習で経験を積み、就職活動をサポートします。就労移行支援事業所では、国からの補助が受けられるため、世帯所得にもよりますが利用料の総額1割を上限に、負担上限額が決められています。
多くの人は金銭的な負担を抑えた状態での、サービス利用が可能です。就職を目指しているものの、なかなかうまくいかない人にとっては、大きな助けとなるでしょう。
対象者
就労移行支援事業所を利用するには、以下のような条件を満たしている必要があります。
- 18~65歳で一般企業への就職を目指している人
- 障がいや難病を抱えている人
障がいの具体的な例としては、以下のようなものがあります。
精神障がい | 統合失調症、うつ病、双極性障がい、不安障がい、適応障がい、てんかん、アルコール依存症など |
発達障がい | 注意欠如・多動性障がい(ADHD)、学習障がい、アスペルガー症候群、自閉症、広汎性発達障がいなど |
身体障がい | 難聴・聴覚障がい・視覚障がい・肢体不自由・内部障がいなど |
知的障がい | 知的障がいなど |
難病・その他 | 障がい者総合支援法の対象疾病 |
上記はあくまでも一例であり、ほかにもさまざまな障がいを持っている人が利用可能です。また、障がい手帳を持っていなくても、自治体が利用可能と判断すれば、利用対象になることもあります。
就労移行支援事業所を利用するメリット
就労移行支援事業書を利用することで以下のようなメリットが得られます。
- 働くための自己管理ができるようになる
- ビジネスマナーやスキルが身につく
- 職場見学や実習ができる
- 就職活動のサポートが受けられる
1つずつ解説していきます。
働くための自己管理ができるようになる
仕事をするにあたっては、日々の自己管理をしっかりと行い、仕事に取り組むための体力・気力を維持することが大切です。就労移行支援事業所では、自己管理の方法や生活リズムを整えるためのポイントなどを学ぶこともできるため、就職に向けた準備を進めることが可能です。
規則正しい生活習慣を送るには何が大切なのか、オンとオフを切り替えることの重要性、休日や仕事の後にリフレッシュする方法など、仕事以外の面で役立つ要素が学べるでしょう。
ビジネスマナーやスキルが身につく
就労移行支援事業所では、さまざまなビジネスマナー、スキルを身につけることもできます。
例えば、仕事をするうえでは欠かすことのできない挨拶や身だしなみの基本、言葉遣いなどもしっかりと学べるため、初めて就職しようとしている人でも安心です。また、電話対応やパソコンの基本的な使い方、コミュニケーションスキルなども学べます。
コミュニケーションスキルに関しては、相手がいないと訓練することができません。しかし、就労移行支援事業所であれば、さまざまな利用者がいるため、グループワークなどを行うことで、スキル向上にも取り組めます。
職場見学や実習ができる
就職活動にあたっては、就職先がどのような場所で、どのような雰囲気なのかといったことを知ることも重要なポイントです。就労移行支援事業所では、職場見学や実習の機会を設けているため、実際の職場がどのようなものなのか理解を深めることができるでしょう。
職場によりますが、実習では以下のようにさまざまなことを行います。
- 小売業での清掃や品出し
- 飲食店での仕込み作業や開店準備
- 事務系での電話対応業務や書類発送作業、データ入力
- 介護施設での介護補助
- 製造業でのラインでの軽作業
など
実習を通して、自分が得意としていること、苦手なことを知ることができるかもしれません。また、「この仕事は面白い」といった新たな発見もあるでしょう。
就職活動のサポートが受けられる
就労移行支援事業所では、就職活動のサポートも行っています。例えば、どのようなキャリアを築いていくのか相談できるキャリアカウンセリングや応募書類の添削・模擬面接なども受けられます。また、実際に企業との面接が決まった時は、面接日程の調整を行ってくれるほか、入社時の各種調整も行ってくれるなど、サポート内容はさまざまです。
1人で就職活動を行うとなると、これらのことを全て自分でやらなければならず、ハードルが高く感じられるかもしれません。就労支援のプロの助けを得ることでスムーズに就職活動に取り組むことができるでしょう。
就労移行支援事業所の利用方法5ステップ
ここでは実際に就労移行支援事業所を利用する際の具体的なステップを紹介します。
- STEP1:問い合わせ
- STEP2:見学・体験通所
- STEP3:受給者証の申請
- STEP4:契約
- STEP5:利用開始
詳しく見ていきましょう。
STEP1:問い合わせ
就労移行支援事業所を利用する場合、まずは、電話やメールなどで気になる事業所へ問い合わせをする必要があります。利用したい旨を伝えると、その後の流れなどを案内してもらえます。また、事業所によってはホームページに問い合わせフォームが用意されているケースもあるため、そこから問い合わせても構いません。
STEP2:見学・体験通所
問い合わせを行った後は、実際に就労移行支援事業所に足を運んで見学を行います。ここでは、担当スタッフの案内を受けながら施設がどのようなものなのか見学します。事業所によっては予約制となっているケースもあるため、問い合わせの際に確認しておきましょう。
見学後は、体験通所を行います。これは、事業所で行っているトレーニングやサポートメニューを体験できるというものです。
STEP3:受給者証の申請
就労移行支援事業所の利用にあたっては、受給者証を取得する必要があるため、利用したい事業所が決まったら受給者証の申請を行います。申請は自分の住んでいる市区町村で行ってください。申請手続きの具体的な方法に関しては、事業所から案内があります。
STEP4:契約
受給者証の申請が完了したら、事業所との利用契約を締結します。契約締結を終えてようやく利用開始となります。
STEP5:利用開始
就労移行支援事業所を利用するにあたっては、スタッフが利用者の希望をヒアリングしたうえで、それに沿った支援計画が立てられます。この計画のことを個別支援計画といいます。希望とする就労生活を実現するために、どのような支援が必要なのか、どういったプログラムを受けるのかといったことを設定していきます。
就労移行支援事業所の利用がおすすめな人の特徴
ここでは、どういった人に就労移行支援事業所の利用が適しているのか解説します。
- 週30時間以上の労働を安定して続けたい人
- 自分の特性や症状とうまく付き合って働きたい人
- 企業選びで失敗したくない人
詳しく説明していきます。
週30時間以上の労働を安定して続けたい人
就労移行支援事業所は、週に30時間以上働きたいと考えている人におすすめです。これは、求人にはフルタイムのものが多くなっているためです。
また、企業に定められている障がい者雇用枠では、法定雇用率の関係で週30時間以上の人を求める企業が多くなっている点も考慮しなければなりません。週30時間以上働いている人は1人とカウントできますが、20時間以上30時間未満の場合0.5人とカウントされます。そのため、30時間未満の場合、1人とカウントするためには2人を雇用しなければならず、企業にとっては負担が大きくなります。
自分の特性や症状とうまく付き合って働きたい人
障がいや難病を抱えている人が働くにあたっては、自分の特性や症状とうまく付き合いながら仕事をすることが大切です。しかし、中には働き始めてから自分の得手・不得手を認識し、仕事をすることがストレスになる可能性があります。
就労移行支援事業所であれば、就労支援のプロによるサポートが受けられるため、一人ひとりの症状や障がいを考慮してもらえます。これまでの経験やノウハウからどういった仕事が向いているのか提案してもらえることもあるでしょう。そのため、自分の特性や症状とうまく付き合いながら働ける職場を見つけやすくなります。
企業選びで失敗したくない人
企業選びで失敗したくない、自分にあった企業で働きたいといった人にも就労移行支援事業所の利用はおすすめです。就労移行支援事業所では、就職を希望する人に対して自己分析やキャリアカウンセリングなどさまざまなサポートを行っているため、自分が何をしたいのか、仕事を通して何を実現したいのかといったことが明確になり、就職活動の軸を作ることができるでしょう。
また、見学や実習を通して向き不向きを確認できるため、就職後のミスマッチを防げる点も大きな特徴の1つです。そのほかにも、働くうえで配慮が必要なことなどを企業と調整してくれるため、自分自身は面接などの選考準備に集中することができます。
就労移行支援事業所なら「ノードワークス」
今回は、就労移行支援事業所の概要や利用するメリット、利用までの具体的なステップなどを紹介しました。就労移行支援事業所では、障がいのある人や難病を抱えている人が社会参加できるように支援する障がい福祉サービスを提供しています。
障がいや難病を抱えている18〜65歳の方が対象となっていますが、障がい手帳を所有していなくてもサービスを利用できる場合もあります。キャリアカウンセリングや書類添削、面接練習、入社時の条件の調整など幅広いサポートが受けられるため、就職を目指す人にとっては大きな助けとなるでしょう。
ノードワークスは「自分の“なりたい”を実現する」就労移行支援事業所です。就職することはもちろんのこと、就職活動だけでなく、生涯役立つスキルを身につけることを目指します。また、就職後は仕事を継続できるように定期的なサポートも行っているため、安心してください。
興味のある方は、ホームページの「お問い合わせ」もしくはお電話でご連絡ください。
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