相談支援専門員と合わない時はどうする?5つの対処法を紹介
相談支援事業とは、障害のある方やその家族から相談を受け、さまざまな福祉サービスに関する情報提供や、福祉サービスを利用するための手続きを行う障害福祉サービス事業です。
この記事では、相談支援専門員と合わない時の対処法について紹介します。また、相談支援の利用事例も取り上げています。ぜひ事業所選びの参考にしてください。なお、相談支援事業には障害児を対象とした制度もありますが、今回は成人を対象とした制度について解説します。
このコラムを読んでもらいたい方
- 相談支援事業の利用を検討している方やそのご家族
- 相談支援事業を利用中の方やそのご家族
- 相談支援専門員を変更したい方
このコラムを読んで得られる情報
- 相談支援専門員について
- 相談支援専門員の仕事内容
- 相談支援専門員が合わないと感じている方の事例
- 相談支援専門員と合わないと感じた際の対処方法
相談支援専門員とは
相談支援専門員とは障害のある人が地域社会で暮らしていく中での困りごと・悩みの相談に応じ、必要な福祉・支援(社会的リソース)につなぐ役割を担っています。そのため福祉サービス利用希望者に合った福祉サービスをスムーズに受けられるよう支援しています。
相談支援専門員は「特定相談支援事業所」や「一般相談支援事業所」、「障害児相談支援事業所」に在籍し、相談支援を行っています。
仕事内容
相談支援員の仕事内容は相談の対象者や内容によって、大きく4つあります。
「基本相談支援」
相談支援専門員の基本となる業務で、障害福祉サービス利用希望者やその家族の現状や困りごとなどを聞き取り、本人・家族の希望をヒアリングして、どのような障害福祉サービスを利用するのが良いかなどの情報を提供する仕事です。
「地域相談支援」
障害者が地域社会で自立した生活を送れるように支援する仕事です。地域相談支援は「地域移行相談支援」と「地域定着支援」に分けられます。
「計画相談支援」
障害者一人ひとりに合った障害福祉サービスを利用できるように「サービス等利用計画書」を作成し、障害福祉事業者と連絡を取り合いサービス利用ができるように調整する仕事です。
「障害児相談支援」
障害児一人ひとりに合った児童福祉サービスを利用できるように「障害児支援利用計画書」を作成し、児童福祉事業者と連絡を取り合いサービス利用ができるように調整する仕事です。
ケアマネージャーとの違い
相談支援専門員と似た職種にケアマネージャーがありますが、ケアマネージャーは相談支援専門員とは相談対象や働く場所が違います。
相談支援専門員は障害者総合支援法に基づき、相談支援事業所で障害者を支援しています。ケアマネージャーは介護保険制度に基づき、居宅介護支援事業所や介護施設で、高齢者や要介護者を支援しています。
相談支援専門員に求められる資質
相談支援専門員は、障害のある人やその家族が福祉サービスの利用を希望した際に、相談窓口としての役割を担います。では、相談支援員に向いている人の特徴には、どのようなものがあるのでしょうか。
一般的には、下記のような特徴のある人が相談支援専門員に適していると言えます。ただし、あくまでも傾向です。すべてに当てはまっていなくても、相談支援専門員になることはもちろん可能です。
人の気持ちに寄り添える
相談支援専門員は当事者やその家族の相談にのり、解決に導く仕事です。そのため信頼関係を築くことが必要です。信頼関係を築くためには、当事者や家族にしっかり寄り添う姿勢が大切だと言えるでしょう。
コミュニケーション能力が高い
相談支援専門員は当事者やその家族の相談にのり、相手の悩みの深さや希望などを引き出したり汲み取ったりすることや、適切な支援に繋げるため、利用者に関わる多くの人たちとの連携も重要になります。
そのため人の話を聞き、相手に分かりやすく説明したりするといった、スムーズにコミュニケーションがとれる能力が必要になります。
責任感が強い
相談支援専門員は、当事者やその家族の、問題や悩みに対し相談にのるのが主な仕事になります。そのため相談支援専門員の支援方法によっては、当事者のその後の人生に影響する可能性があります。その点をしっかり自覚し、責任感を持って仕事に取り組める能力が必要になります。
冷静に対応できる
相談支援専門員の仕事では、感情的になった当事者に対応する場面が出てきます。また、当事者の様子や状態の変化などをみながら、その時々で最適な判断や行動をすることが必要です。
相談支援専門員はいつでも中立な立場で、冷静に判断できる能力が必要になります。
向上心がある
相談支援専門員は当事者一人ひとりに最適な支援を受けられるようにするため、さまざまな知識を入れる必要があります。他にもさまざまな環境の変化に柔軟に対応する必要もあるため、常に知識のアップデートが求められます。そのため、相談支援専門員になった後も積極的に自己研鑽を重ねようとする、向上心が必要です。
「相談支援専門員と合わない」と感じている人たちの声
相談支援専門員と合わないと思う方もおり、次のような声が上がっています。
・30代女性
「今の相談支援員さん押しが強くてしんどい。悪い方ではないけど熱意が合わない。」
・40代男性
「区で一番人気だと言われている相談支援員さんは、遅刻したり、約束の時間に来なかったり連絡の返事が来ない人です。他の人が言うようにここは合わないって言うのは分かるかも。」
・40代女性
「当時の相談支援員は、事業所の味方でした。私も仕事だからやっているけれど事業所の管理者と同じことをいっていて、話す気がなくなりました。」
「質問しても答えてくれないし、質問もこない状況で、私は一人で闘い、ここの相談員とは合わないと確信しました。」
相談支援専門員と合わないと感じる理由
相談支援専門員と合わないと感じる理由はさまざまです。ここでは、主なものをご紹介します。
・連絡や対応が遅い
相談や対応してほしい時に連絡が繋がらないことや、福祉サービスを探す際の行動、対応が遅いことで合わないと感じてしまう場合があります。
・知識が乏しく、頼りにならない
相談支援専門員には、相談者が求めているサービスを適切に判断し、福祉サービスに繋げる力を求められますが、知識が乏しく狭い範囲での紹介になってしまうことで「合わない」と感じてしまう場合があります。
・悩みに寄り添ってもらえない
相談者が抱えている悩みに対し、寄り添った対応をしてもらえないことで、合わないと感じてしまう場合があります。
・こちらの要望を聞かずに、強引に話を進めようとする
相談者の悩みや要望ではなく、相談支援専門員の考えで福祉サービスを決められることで合わないと感じてしまう場合があります。
相談支援専門員と合わない時の5つの対処法
相談支援員と合わないと感じた時には、下記のような5つの対処法を試してみることをおすすめします。
過剰に期待していないかを振り返る
「相談支援専門員に相談すれば、何もかもが解決する」と、期待しすぎていないか自身を振り返ってみましょう。相談支援専門員も人手不足で、多くの相談者を抱えていることが多い傾向にあります。自分だけ最優先で対応してもらえるわけではないことを、理解しましょう。
もう一度、よく話し合ってみる
期待する支援が受けられないのは、コミュニケーション不足の可能性もあります。遠慮して「大丈夫」と言ってしまったり、悩みや要望を「察してほしい」「気づいて当たり前」と思ったりしていると、相談支援専門員に真意が伝わらない可能性もあります。お互いをよく理解し合えるように、再度話し合いの場を持つことも大切です。
担当者を変えてもらう
相談支援事業所の管理者に事情を話して、担当を変えてもらいましょう。必ず希望が通るというわけではありませんが、多くの場合は変更してもらえます。
相談支援事業所を変える
担当者を変更しても解決しない場合は、別の相談事業所を利用することも検討しましょう。合わなかった点を自分なりに分析して、次の事業所で同じミスマッチを起こさないように、新しい相談事業所を探すことが重要です。
福祉サービス運営適正化委員会に申し立てる
福祉サービス運営適正化委員会は、利用者からの苦情などを解決し、権利を守るための組織です。自力で解決できない大きなトラブルや悪質な事業者の場合は、仲介してもらうことも考えましょう。
信頼できる相談支援員を探そう
今回は、相談支援員と合わない時はどうしたらいいか、実際に寄せられた利用者の声や合わないと感じる理由、その解決方法についてご紹介しました。相談支援員と合わないと思った場合は、どこに原因があるのか考えることが重要です。そのうえで、信頼できる相談員に変更するなど対処方法を実施していきましょう。
ノードワークスでは、就労移行支援事業所のほかに相談支援事業も行っています。就職活動のサポートから、相談支援専門員が利用者様に合った福祉サービスに繋げるところまで幅広くサポートしています。興味のある方は、ぜひ一度見学に来てみてください。申し込みは、電話もしくは公式サイトの問い合わせフォームから行えます。
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